カテゴリー: リハブログ
筋肉・筋力の大切さ
2022年10月20日
少しずつ気温も下がり秋から冬にかけて季節の移ろいを感じるようになってきました。皆さま衣替え、雪に備えた防寒対策は始めておりますか?北海道は雪国です。雪国の特徴としまして冬はどうしても1日を通しての活動量が積雪前と比較して少なくなってしまいます。実際に、積雪地域では夏季と比べて活動量が低下するのですが、摂取カロリー量は変わらないため、冬季間に体重が増えてしまうという報告もあります。活動量が低下するともちろん筋力も低下します。今回は、理学療法士らしく筋力の大切さについて簡単にお話したいと思います。
「筋肉」は生きていくために必要不可欠なものです。私たちが立つ・歩く・走るのも筋肉を使って行うことができ、さらには呼吸や嚥下(飲み込み)、心臓を動かすことも全て筋肉が働いているからこそ生命を維持できています。その筋肉を働かせる力を「筋力」と言います。筋力は20~30歳をピークに増加しますが、30歳を過ぎると徐々に減少し始め、80歳の時点ではピーク時(現役バリバリの時期)の7割以下まで低下してしまいます。1日寝た切りだと全身の1~3%、1週間寝たきりだと全身の10~15%の筋力低下が起こり、3~5週間(約1ヶ月)寝たきりだと全身の50%の筋力低下が起こると報告されております。
筋力が落ちると「動くと疲れる」「動悸がする」「呼吸が苦しい」「転びやすくなる」といった状態に陥りやすく、この状態がさらに体を動かさなくなる要因となります。
私たち理学療法士は筋肉に関するスペシャリストだと自負しております!雪国の函館でいつまでも楽しく元気に生活していける体づくりのためにこれからも様々なトレーニングを発信してまいります。
Let‘s do muscle training!
わかりやすい体幹安定性・固定性の違い‼
筋トレ方法は広報誌なごみから閲覧可能です。
在宅リハビリテーション課長 佐藤 嶺(理学療法士)
就職説明会でお会いしましょう。
2022年09月07日
函館の短い夏も終わり、朝晩は寒いと感じる日が多くなってきました。
療法士養成校最終学年の学生さんは、最後の臨床実習を終え、就職活動が本格化してくる時期ではないでしょうか。
西堀病院では、2023年度も理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の採用を予定しています。各養成校の就職説明会にも可能な限り参加させていただいておりますので、「函館での勤務」、「回復期を中心とした幅広い対象者へのリハ」、「地域に根差したリハ」、「介護保険領域のリハ」等に興味のある方は、お気軽にブースへお越しください。
施設見学も随時受け付けておりますので、お電話またはホームページ「採用情報」のエントリーフォームよりお問い合わせください。
リハビリテーション次長 伊丸岡(作業療法士)
リハビリ栄養の研修会を行いました
2022年07月13日
皆さんはリハビリ栄養をご存じでしょうか。
リハビリ栄養とは、病気をした方や高齢者に対し「リハビリ内容を考慮し、最大限の能力が発揮できるような栄養管理、栄養状態に合わせたリハビリを行う」ことです。栄養状態に合わせたリハビリを行うことで効果的に患者様の活動や生活を支えていくことを目指します。当院もリハビリを行う施設としてリハビリ栄養プロジェクトチームを立ち上げ、栄養の評価や検討会、研修会なども行っております。
この写真はプロジェクトチームメンバーである作業療法士の廣島より、リハビリ栄養の概要や症例紹介といった内容で研修会を行ったものになります
リハビリだけでなく栄養にも着目することの大切さを考える良い機会になりました。参加した職員からも勉強になったとの意見を多く頂いております。 今後とも患者様の生活を少しでも支えられるよう日々研鑽を積み、質の高いリハビリを提供できるよう努力していこうと思います。
院内リハビリテーション課 主任 間山裕人(言語聴覚士)
新たに増えた機器の紹介
2022年06月24日
リハビリテーション分野では様々な機器を使用し臨床を行っていきます。その中で先日二つの機器を新たに購入したので紹介します。一つ目はトランクソリューションです。これは体幹機能が弱い方に対して体幹を垂直位に保つ機器となります。特に脳卒中疾患の方は体幹機能が弱くなる事が多い為、この機器を使用し、さらに膝や足首を固定する長下肢装具と併用して歩行練習を行う事で効果的と言われています。
二つ目はロッキングボードです。これは主に座ってバランスを保つなど体幹機能を向上させる機器となっております。体幹は身体の土台の様なものであり、いくら足や腕が強くても土台である体幹がグラグラであると足や腕の筋肉を適切に発揮する事が出来なくなりバランスが崩れてしまうため、体幹機能を向上させる事が重要と言われています。
昨年11月に開催された第74回道南医学会大会で当院のリハビリスタッフが「回復期リハビリテーション病棟に入棟した脳卒中患者の運動機能が日常生活自立度に及ぼす影響~入院時における運動FIMと身体機能評価の関連性~」という演題で発表をしましたが、脳卒中患者様において日常生活を自立する為には入院時の体幹機能が重要という結果となり、より安全な歩行や生活を送る上では体幹機能が必要不可欠となります。よって今回購入した機器は体幹に着目した物ですが、この機器を使用し、今後も安全な歩行、安全な生活を提供できるように臨床を行っていきたいと思います。
院内リハビリテーション課 主任 小笠原(理学療法士)
学術大会に参加しました
2022年06月17日
6月11日、12日で第52回北海道作業療法学会学術大会が帯広で開催されました。今回は現地参加とリモート参加のハイブリッド形式で行われ、当院からはOT大林とOT福士の2名がリモートで参加しました。大会テーマは「技術継承と技術革新~変革の時代にしなやかに対応する作業療法~」となっており、ロボットセラピーや地域包括ケアシステムについて、帯広市における地域リハビリテーション活動・介護予防普及啓発事業・支援事業の実践などの講演がありました。今回の講演では「地域」に着目しており、withコロナの時代で、これらからの「函館市」という地域との関わりを考える良い機会となりました。2人にはこれからも地域を盛り上げるリハビリスタッフとして頑張って欲しいですね!
院内リハビリテーション課 主任 小笠原(作業療法士)
西堀病院の屋上園芸
2022年05月27日
毎年恒例、屋上園芸を開始しました。例年、当院作業療法士が中心となり土の入れ替え、種植えをしていましたが、今年は患者さまにその一部を担ってもらいました。退院後、園芸を楽しみにされている方、今は出来ないけど元々やっていた方、農家を営んでいた方等、園芸のスペシャリストたちを集め実施しました。やはり私たちより詳しく、患者さまから園芸に関するノウハウを教えて頂きました。いつもは受け身な患者さまも主体的に取り組む様子や患者さま間での交流も見られ、とても良い時間となりました。
まだまだコロナの不安は絶えず、患者さまの外出機会が奪われてしまっている状況です。その中でもこの屋上園芸が、少しでも患者様の楽しめる場所、心休まる場所となるよう整備していきます。
5月初旬に種植をし、今ではこんなに成長しています。
次は収穫です。
院内リハビリテーション課 係長 村山(作業療法士)
通所・訪問リハビリテーションにおける言語聴覚士のお仕事
2022年05月20日
西堀病院の通所・訪問リハビリにおける言語聴覚療法は「言語障害・音声障害・構音障害・嚥下障害」を中心にリハビリを行っています。うまく言葉が出ない、大きな声が出せない聞こえが悪く話声が理解できないといった症状に対して日常会話が行いやすいように訓練、アドバイスを行います。
また、食事がうまく出来ない方には「今どこに問題があるのか」を評価させていただき、どうすれば安全に食べることができるのかアドバイス・指導させていただくとともに、飲み込みに必要な力をつけるための訓練を行います。病院と連携して嚥下造営検査という詳細な検査を行うことが出来るのも当院の特徴です。
①訪問リハ:プログラム 聴理解課題(聞き取りと書字)
②訪問リハ:プログラム 状況説明(トランプを使って目の前の状況を相手に伝える)
③通所リハ:プロブラム 嚥下評価(聴診器をあて、飲み込みの確認)
通所・訪問リハビリ 日隅(言語聴覚士)
ことばや食事でお困りの方や興味を持たれた方が御座いましたら、是非ご相談ください。
相談窓口:通所リハビリテーション西堀 佐藤(嶺)・笹谷
訪問リハビリテーション西堀 宇野
函館もサクラが開花しました。
2022年04月26日
新年度を迎え、もうすぐ1か月。
皆さまは如何お過ごしでしょうか?私は健康のため、半年くらい前から車通勤を辞め、徒歩通勤しています!(といっても1.5kmくらいなのですが…)
函館もすっかり春の陽気となり、西堀病院の周りの桜も一気に開花しました。4月21日に函館のサクラが開花したのは、史上3番目の早さだそうです。
写真は通勤途中に撮影した西堀病院の近くを流れる亀田川沿いの桜です。
また、リハ課スタッフのみんなとお花見ができる日が来ますように。
リハビリテーション次長 伊丸岡(作業療法士)
新年度を迎えて
2022年04月13日
卒業や入学など、人生の転機が多い春。社会人デビューもその一つの出来事ではないでしょうか。さて、西堀病院リハビリテーション課にも4月から新たに8名のスタッフが入職してくれました。新入職員の表情からは、新たな環境への期待や不安など様々な感情が伝わってきました。「西堀病院に来て良かった」と思ってもらえるように、スタッフ全員で大切に育成していきたいと考えています。
写真は看護部の職員と合同で「移乗研修」を行った際のものです。これからも連携を大切にしながら、患者様により良い支援が提供できるよう努めていきたいと思います。
院内リハビリテーション課課長 寺田(言語聴覚士)
第5回 西堀学会開催
2022年03月11日
理学療法士を中心に始まった西堀学会も5回目を迎え、今年は作業療法士、言語聴覚士も加わって、より充実した研修の場となりました。
当初、対面での開催を企画していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、急遽、オンラインでの開催としました。
エントリーされた演題は全9演題。演題名と発表者をご紹介します。
生活行為向上マネジメントを用いて買い物へ行けることを目標とした症例~コロナ渦での外出機会の検討~ 野崎達貴(作業療法士)
干渉電流型低周波治療機器(ジェントルスティム)を使用することでお楽しみレベルの経口摂取が可能になった症例 渡辺光陽(言語聴覚士)
ハンドヘルドダイナモメーターを用いた股関節伸展筋力計測方法の検討~台固定法の再現性及び妥当性の検証~ 金子優貴(理学療法士)
右TKAの患者様の歩行再獲得を目標に介入した症例 中山晶華(理学療法士)
回復期病棟脳卒中患者の運動機能が食事に及ぼす影響~退院時における経口摂取に関連する因子の検証~ 笹森公平(理学療法士)
回復期脳卒中患者の自宅退院に影響を及ぼす因子 小笠原啓太(理学療法士)
10年ぶりに屋外活動に参加した症例~屋外活動と生きがいの関係性~ 永井裕之(理学療法士)
進行性疾患の利用者への訪問リハ~在宅生活を続けていくためにすべきこと~ 藤下凌(作業療法士)
一般病棟患者の転帰先についての検討~入院の有無による患者の比較~ 吉田嘉樹(理学療法士)
どの発表もリハビリの質を高め、より良いリハビリテーションを患者さま、利用者さまに提供しようという熱い発表でしたが、学術奨励賞は伊丸岡の独断と偏見で中山さんとさせていただきました。今回の経験を糧に今後も頑張ってください!