カテゴリー: リハブログ
第6回 西堀学会(2日目)
2023年03月10日
2日間わたって行われた西堀学会最終日は「症例検討」。
偶然にも発表者3名とも2年目のPT・OT・STでした。
まだまだ粗削りな部分もありましたが、3名に共通して言えたことは“患者の主訴をしっかり捉えた関り”だったことです。
1例目の「ひとりでトイレに行きたい若い女性の症例」では低周波治療器を積極的に取り入れ、電気刺激を併用した筋力トレーニングを続けている発表でした。
2例目の「施設入所が決まっている高齢男性の症例」ではご本人が半ばあきらめてしまっていたものの、利き手交換を行い趣味活動が再開できたことで、意欲が向上し日常生活動作にも改善がみられた発表でした。
3例目の「在職中に発病した男性の症例」では職場復帰に向け多職種で連携し、役割分担をして関わることが出来た発表でした。
発表後のディスカッションでは院内リハビリだけでなく、在宅リハビリから“退院後のリハビリ継続の必要性”“家族・職場への必要な情報提供”など貴重なアドバイスを多く聞くことが出来て、大変実りある学会となりました。
今回の学会を通して、いま目の前にある障害だけでなく、その患者の「その人らしさ」や「1年後、5年後の先の生活」を見据えたリハビリが提供出来るよう日々励んでいこうと決意を新たにしました。
主任 松島 環(言語聴覚士)
第6回 西堀学会(1日目)
2023年03月10日
PTの有志で始まった西堀学会も今年で6回目。今年は「combination」という学会テーマのもと、2月9日と2月10日の2日間に渡り開催されました。
西堀学会は回を重ねるごとに規模も大きくなり、6回目にして初めて看護との共同発表も行われました。
1日目の演題は以下の3演題です。
2-2 病棟におけるリハスタッフの病棟配置について~補完代替リハの概要と実施状況~
院内リハビリテーション課 作業療法士 村山 剛志/2-2病棟 看護師 河田 隆盛
院内から訪問リハビリへ移行したケースの報告会を実施して
訪問リハビリテーション西堀 理学療法士 木村千智
集団リハビリテーション〜集団の場の共有からリハビリへの意欲向上が図れた症例〜
院内リハビリテーション課 作業療法士 池畑琉宇
発表者だけでなく、参加した若手も学会の雰囲気を感じる良い機会になったと思います。参加いただいた成田看護部長には、たくさんご質問いただき会が盛り上がりました。ありがとうございました!
リハビリテーション次長 伊丸岡(作業療法士)
永年勤続10年の賞状をいただきました
2023年02月06日
今年の函館は雪が多く、雪かきする機会が多くありますが、筋肉痛の日々は続いていないでしょうか?また新型コロナウイルスもですが、インフルエンザも流行時期ですので、職員としましては緊張感を持ちながら勤務をしているような状況です。
私ごとですが、この度10年の勤続表彰をして頂きました。長いようであっという間な10年でしたが、色々な事もありましたがリハビリテーション課をはじめ、他部署の職員のみなさんと一緒に働けた事でここまでこれたと思っております。また同期入社したリハビリスタッフはほとんどいませんが、同じ永年勤続10年の三浦副院長と写真を撮って頂き嬉しく思います。
昨年は新型コロナウイルスにより大変な一年となりましたが、今後も患者様に安心してリハビリテーションを提供できるようにスタッフ一同より気を引き締めていきたいと思います。
主任 小笠原 啓太(理学療法士)リハビリ栄養 研修会
2023年01月05日
寒い日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。これから年末年始を迎えるにあたり、おせち料理や年越しそばなど美味しいご飯を食べる機会が多くなると思います。
以前にも投稿しましたが、皆さんは「リハビリ栄養」という言葉をご存じですか?「リハビリ栄養」とは、病気をした方や高齢者に対し、リハビリ内容を考慮し、最大限の能力が発揮できるような栄養管理を行うこと、また栄養状態(食事)に合わせたリハビリ(運動)を行うことです。
当院でも12月27日に今年3回目のリハビリ栄養研修会を行いました。参加した職員がリハビリを行うにあたり、栄養にも着目することの重要さを実感している様に感じました。下の写真は、研修会の様子と使用した資料になります。
健康を保つためには、ご飯を食べるだけでなく運動により栄養を筋肉に変えていくことが重要です。これからの年末年始、楽しく・美味しくご飯を食べることと思います。しっかりと運動も行うことで蓄えた栄養を筋肉に変え、新年に向けて健康な身体を作って頂ければと思います。
本年も何卒当院リハビリテーション課をよろしくお願いいたします。
院内リハビリテーション課主任 間山裕人(言語聴覚士)
第75回道南医学会大会
2022年11月30日
皆さんこんにちは。作業療法士の小笠原です。
令和4年11月26日(土)に函館国際ホテルにて第75回道南医学会大会が行われました。当院の在宅リハからPT田村主任、院内リハからOT木村(優)、OT小笠原(桂)、OT森村の4名が発表してきました。PT田村主任とOT木村は研究発表、OT小笠原とOT森村は当院の取り組み発表として、シングルケースでの発表を行いました。学会発表が初のセラピストもおり、成長に繋がる良い機会になったと思います。
対面での学会参加はコロナ禍の影響もあり、なかなか体験出来ませんでしたが、私自身も対面ならではの空気や緊張感を味わうことが出来ました。まだまだコロナ感染者が多いため、皆さん気をつけてお過ごしください。
主任 小笠原由樹(作業療法士)
通所・訪問リハビリテーションの言語聴覚士最近のお仕事
2022年11月17日
前回言語聴覚士の仕事についてお話させていただきました。
言語聴覚士は病気や加齢により
・言語障害・音声障害・構音障害
→声が出ない、上手く話せない、話が理解できない、字が読めない・書けない、難聴
・摂食嚥下障害
→よくムセる、硬いものが食べられない、食欲がない
・高次脳機能障害
→記憶・注意・遂行機能・社会的行動障害等により日常・社会生活が困難になる
といった障害をお持ちの方に対して日常生活を送っていただけるようリハビリを行う仕事になります。
今回は食事についてお話いたします。
食事に関するリハビリを必要とする疾患として、脳梗塞、加齢、認知症、進行性難病など、その原因は様々です。
介入した方の中には、食事の際のムセが気になる方や、経口摂取ができない方と様々です。胃瘻から訓練を始めて3食経口摂取となった方もいらっしゃいます。
通所・訪問リハビリ 言語聴覚士 日隅
障害で食事を諦める方が多いですが、もう一度口から食べることに挑戦しませんか?
通所・訪問リハでは当院と連携を図り検査を行うことも可能です。
食事でお困りの方がいましたら、是非ご相談ください。
相談窓口:通所リハビリテーション 佐藤・笹谷
訪問リハビリテーション 宇野
看護師と作業療法士(OT)でFIM勉強会
2022年11月07日
皆さんこんにちは。OTの村山です。
先日、回復期リハビリテーション病棟看護師とOTでFIM勉強会を実施しました。勉強会の目的としては、毎年看護師もリハビリもチーム移動があります。その都度、新しいメンバーにFIMの採点方法、回復期アウトカム指数のシステムを共有化することが目的です。わかりやすい勉強会を意識し毎年資料をアップデートしています。これからも、入院患者様の自立した生活を獲得するため、正しい知識を共有し病棟とリハビリの連携を強化していきたいと思います。
係長 村山剛志(作業療法士)
楽しい食事のために少しの工夫を
2022年11月04日
年末年始が近づくこれからの季節。コロナ禍でなかなか帰省できていなかった方も『そろそろ実家に帰って、家族と美味しいものでも食べようかなぁ』と考えている方も多いのではないでしょうか。でも、楽しい時こそ気を付けなければならないのが「不慮の事故」。特に食べ物をのどに詰まらせる窒息事故が多くなるのがこれからの時期でもあります。窒息というと餅をイメージする方が多いかと思いますが、かまぼこや里芋、こんにゃくや干し柿といった年末年始にテーブルに並びそうなご馳走にこそ、危険が多く潜んでいるのをご存じでしょうか。下に食べる時の注意点をいくつかご紹介しますので、楽しくそして安心・安全な久しぶりの再会をお迎え下さい。
西堀病院には9名の言語聴覚士が在籍しています。地域に根差した病院として、入院患者さまだけではなく、飲み込みで困っている地域の方々にも検査や相談を受け付けておりますので、ぜひお気軽に当院にご相談下さい!
<注意点の一例>
・食べる前に、先にお茶や汁物を飲んで口の中やのどを潤しておく
・一口ごとによく噛んで、唾液と食べ物がよく混ざり合うように意識する
・歩きながら、笑ったり会話をしながらなど、「ながら飲食」はしない
・球状の食べ物(ミニトマトやブドウなど)を丸ごと食べさせない
院内リハビリテーション課長 寺田昌弘(言語聴覚士)
咳の力を鍛えよう!
2022年10月21日
当院には誤嚥性肺炎の診断をうけて入院される方が多くいらっしゃいます。飲み込みの力を評価するのが私たち言語聴覚士の仕事ですが、実際に評価してみると飲み込み機能の低下だけでなく、咳をする力が弱くなっている方が多い印象を受けます。人間には本来、身体を防御する機能が備わっているため、食物や異物が気道に入ってくるとムセや咳で身体の外に出そうとします。でも、その力が弱かったら?最悪の場合、肺炎になってしまいます。今年の2月には俳優の宝田明さんも誤嚥性肺炎で亡くなっています。直接肺炎にならなくても、別の病気で入院中に寝ていることが多くなって筋力が低下して誤嚥性肺炎になるということもあります。いま健康なうちに、手足の筋力だけでなく、呼吸に関する筋力も鍛えて予備力を高めておきましょう。
<家庭でできる咳トレーニング>
①息を吸う力を鍛えるトレーニング:紙片をストローで吸い付け、コップに入れる。
難易度を上げる場合
〇 吸うものを変える:ティッシュペーパー→折り紙→厚紙→ペットボトルキャップ
〇 枚数を増やす。
〇 吸い上げてから10数えてからコップに入れる。 など
②息を長く吐く練習:ペットボトルに水を入れ、ストローでブクブク吹く。
難易度を上げる場合
〇 水の量を増やす:水圧を利用して負荷をかけるので、ストローの深さが大切です。
水量を増やしても、ストローの水深が浅いと意味がありません。
〇 吹く時間を決める:成人の正常値である20秒を目標に少しずつ伸ばしましょう。
③瞬間的に強い息を吐く練習 その1:喉に力を入れずに「ハッ」と息を吐く。
寒いときに手を温めるときのイメージ
④瞬間的に強い息を吐く練習 その2:
「ストロー吹き矢」曲がるストローの長い方(本来は飲み物に入れる方)を口にくわえ
曲がるストローの短い方(本来は口にくわえる方)に綿棒を入れ勢いよく吹き、綿棒を飛ばします。
※ストローの曲がる部分を少し曲げておくと誤って吸い込んだ時に安全です。
文:松島環(言語聴覚士 主任) 絵:池畑琉宇(作業療法士)
休憩時間もちょっとした日常生活訓練を
2022年10月20日
最近通所リハビリに通う利用者さまから、以前に比べ手の力が入りにくくなった、手の動きが悪くなったという話が聞かれることがあります。自宅で生活していて、ペットボトル等の蓋を開ける、細かいものを摘まむ事はよくあることです。そこで、リハビリの休憩中や運動後の残りの時間に、洗剤のキャップやタッパー、瓶、お弁当容器の蓋の開け閉め、子供服を畳んでもらうなど機能的な訓練とは別に、普段の日常生活で行う運動を提供してみたところ、利用者様から非常に良い反応が得られました。
今後も自宅での生活に活かせるような取り組みを考案していきます。
通所リハビリテーション 主任 笹谷 昌子