カテゴリー: リハブログ
西堀病院回復期病棟での新たな取り組み
2024年10月21日
自宅などでの普段の1日の生活の始まりは、起きたら身支度を整えたり、ご飯を食べたりし、その後は横になることは少なく活動的に1日を生活していく事が多いと思います。
それが病院生活になると病院で借りた服のまま着替えることはなく、リハビリ時間以外は基本的に自分のベッド上となってしまいます。そのように入院生活が長くなるとリハビリはしているものの思ったよりも体力が向上してこない、筋力もつきにくい、身の回りの動作の介助量が中々軽減しない、起きる意欲や認知機能が下がる…など悪循環が起きることがあります。
回復期病棟とは脳血管疾患または大腿骨の骨折などの病気で急性期を脱しても、医学的・社会的・心理的なサポートが必要な患者さんに対して、多くの専門職がチームを組んで集中的なリハビリテーションを実施し、心身ともに回復した状態で自宅や社会に戻っていただくことを目的とした病棟です。
自宅や施設に帰った後の生活は病院の服は着ません。そのために意識的な改革として、起きたら病院の服から自分の服に着替えをしていきましょう。ということで取り組みに同意が得られる方々に対して積極的に病衣から自分の服への更衣練習を行っております。
ご自分で着替えられる方はご自身で、また着替えるのに介助が必要な方は早出勤務のリハビリスタッフが介入して着替えを行っております。
病気やケガをしたことで着替えは思っているよりも難しい動作となっている事が多く、実際に行うことでご自身にその気づきを与えることができます。またリハビリスタッフが関わることで動作手順を指導したり、補助具を使用したり、環境調整や行う姿勢を変更したりなど一人一人がより行いやすい動作・環境を検討しながら実施します。着替える頻度が上がることで徐々に介助の手が減り、自立されていく方も沢山います。
その他当院の他病棟では先駆けとして離床促進に取り組んでいましたが、今年より回復期病棟でも個別リハビリテーションの時間外もベッドにすぐに横になるのではなく、自宅や社会復帰するために積極的に離床の促進を行っております。もちろん一人一人の体の状態は異なるため、疲れた時は適宜休んで頂いています。
これらの取り組みを行ってから離床できる方の増加や身の回りの動作の介助量や日常生活動作の介助量が減っている方が多くなっている印象です。
院内リハビリテーション課 係長 鍵谷珠貴(理学療法士)
当院では「摂食嚥下機能評価入院」を実施しています。
2024年10月17日
10月に入り肌寒くなってきましたが、10月は「食欲の秋」とも言われています。新米や秋刀魚、栗、ぶどうなど美味しいものがお店に並んでおり、食欲が高まる時期とも言えます。しかし、年齢を重ねると体力や免疫力が若い時に比べ少しずつ低下し、風邪や感染症などをキッカケに食べものが噛みにくい、むせやすくなる、のどに引っかかるといった症状がみられることがあります。こういった症状があると食事そのものが負担となり、食欲も低下して栄養が十分に摂れないといったことが起きてしまいます。このような症状を早期に発見し、予防するためにも、当院の「摂食嚥下機能評価入院」を活用してみませんか。
下の写真は「摂食嚥下機能評価入院」のパンフレットと実際に入院された方の検査場面の写真になっています。今回利用して頂いた方は、食事をしている場面の観察やX線透視装置を用いた飲み込みの検査(嚥下造影検査:VF)、歯科衛生士の口腔評価や管理栄養士による食事指導を行いました。
普段のお食事で不安なことがある方は、当院までお問い合わせください。
(※評価や検査の方法、入院期間などは利用者により異なります。)
院内リハビリテーション課 係長 間山裕人(言語聴覚士)
介護職員も発声訓練をサポート!
2024年09月18日
通所リハビリテーション西堀では、昨年度よりセラピストだけではなく介護職員も利用者さまの担当を受け持つ「介護員担当制」を導入いたしました。介護員担当制の役割は担当する利用者さまの全身状態や生活状況を把握したり、通所利用時の自主練習の補助や正しい運動方法の指導、または利用者さまからの要望を聴取するなどの業務がメインとなります。利用者さまからは「相談できる人が増えて良かった」「担当という意識を持って声をかけていただけて嬉しい」といった声が聞かれております。現在は、家屋調査やサービス担当者会議、リハビリテーション会議といった他職種で情報共有をする場にも積極的に参加するようになっております。また、介護職員間で話し合い「空いている時間、隙間時間で何かできることはないか?」と考え、構音障害や発声が苦手な方に対して音読や発声訓練、手のリハビリを目的とした物づくり課題を実施しております。リハビリ特化型施設で働く当事業所の介護職員はリハビリに対するマインドが強くとても頼りになる存在です!
在宅リハビリテーション課長 佐藤 嶺(理学療法士)
技術職としての「手」を極めろ!在宅リハ技術講習会!
2024年09月13日
少しずつ秋を感じられるようになってきましたが、まだまだ暑い日が続いております。さて、今回は在宅リハビリテーション課で定期的に開催している研修会についてお話いたします。昨年度から在宅リハビリ部門(通所リハ・訪問リハ)では利用者さまの身体機能や今後の方向性に関する事例検討会を開催しておりました。この研修会の目的は、利用者さまの身体機能・生活の維持・回復のために今、行っているリハビリがマッチしているのか?より良い方法はないのか?といった疑問や悩みをスタッフ全員で解決していくことになります。研修会を開催する中で、若手スタッフからは「筋肉や関節の触り方、動かし方を学びたい」という実技研修に関する要望が多く聞かれておりました。そこで、希望に応え実技研修会を開催いたしました。第1弾は訪問リハビリテーション西堀の宇野主任による「肩甲骨の触診」というテーマで2回に渡って実施しました。2回目は院内スタッフにも声をかけ、若手も参加し、とても有意義な会となりました。これからも患者さま・利用者さまに提供するリハビリテーションの「質」を高めるため、後進の育成のためにも技術の継承を行っていきたいと思います。
在宅リハビリテーション課長 佐藤 嶺(理学療法士)
はて?リハビリとは??
2024年08月16日
私が従事している訪問リハビリテーションというのは介護保険でのサービスですので、主に二次的な障害予防、状態維持や状態悪化を緩和するために関わります。
うまくいって卒業された方、卒業まで至らずお世話になっている方や、中には病状の変化でお亡くなりになってしまう方もいらっしゃいます。
皆さん、「リハビリ=身体機能訓練、やれば良くなる」というイメージが強いかと思いますので、もしかしたら意外に思う方もいるかもしれません。かくいう私も、機能訓練というイメージが強い人間でした。
私が訪問してから数年が経ち、徐々に歩けなくなり、トイレやお風呂もままならず、奥様の介助でベッド上生活を送ることになってしまった一雄さん(仮名)のお話しをしたいと思います。
次第に身体状況も落ちてきて、リハビリ以外では座る事が無くなってしまいました。そんなことがあると、奥様と一雄さんが口論を始めます。
奥:「なんでリハビリの時はやれるのに普段はやらないの!?」
一:「俺は俺なりに頑張っているんだ!」
奥:「俺なりに頑張れるんなら普段から頑張んなさい!!」
一:「・・・(そっぽを向いて無視)」
私が話をなだめて終了・・・という事が続いていましたが、そんな一雄さんの状態が徐々に悪化。とうとう余命宣告を受けてしまいます。
私も「リハビリとしてこれ以上、関わる事はないのかな?」と思いましたが、一雄さんと奥様は「継続して来て欲しい。」とのことでした。
『はて?リハビリとは??』
座ることも出来なくなり、ベッド上で色々な話を聞いたり、手足のストレッチをしたり・・・そんな日が続いていましが、とうとう一雄さんは状態が改善することなく、旅立って行ってしまいました。
「私は何かできたんだろうか?」
モヤモヤした思いを持ったまま、ご焼香させてもらいに行きました。
すると、奥様から意外な一言が。
「最後まで来てくれてよかった。言い方は悪いかもしれないけれど、話を聞いてくれるだけでも良かったんです。本当に助かりました。ありがとう。」と涙ながらに話してくれました。
「関わらせてもらえて良かった!」という嬉しさと同時に、こう強く感じさせてもらったことを私は忘れません。
『はて?リハビリとは??』
このインスピレーションを忘れず、大事にして行きたいと思います。
一雄さんが見たであろう風景
訪問リハビリテーション西堀 本通サテライト主任 山上雄大(作業療法士)
出張リハビリin松前
2024年07月16日
6/20、松前町にある『コミュニティーホーム緑洋館』で介護予防教室を実施してきました。新型コロナが流行する以前は、定期的に緑洋館へお伺いさせて頂き、予防教室や体力測定等を実施させて頂いておりましたが、ついに約4年ぶりに再開することができました。
4年前と比べ利用者さまの顔ぶれはがらりと変わったそうですが、皆さん生き生きされており、笑顔で私たちを迎えてくださりました。
今回は、久々の出張ということで「体力測定」をメインに行いました。内容は握力、立ち上がり、歩行、方向転換などを含む専門的評価を参加者約30名に対し実施。皆さん、積極的に足り組んでいただき、「楽しかった」「また来てね」などのありがたいお言葉を沢山いただきました。施設職員の方々や地域のケアマネジャーさんも見学に来られ、利用者さまの生活に関する相談を受ける場面もありました。
今回のような取り組みが、利用者さまの元気な生活を取り戻すきっかけとなればうれしいです。これからも積極的に地域へも出向き、地域交流を大切にしていきたいと思います。
松前町の皆さんありがとうございました!!
院内リハビリテーション課 係長 村山 剛志(作業療法士)
全国デイ・ケア研究大会in札幌 北海道
2024年07月12日
皆さんこんにちは。通所リハビリテーション西堀、理学療法士の田村です。
盛夏の候、気温がぐんと上がり、汗ばむほどの暑さを覚えます。熱中症には十分にご注意ください。
さて、タイトルにありますよう6月28日~29日に「全国デイ・ケア研究大会in札幌 北海道」の学会に参加して参りました。地域リハビリテーションの最新の治療や・知見など専門性の高い講演が多く行われていました。参加者はリハビリ職だけではなく、介護支援専門員や歯科衛生士など、様々な在宅リハビリに関わる職種が参加されていました。
私は「通所リハビリテーションにおける脳卒中片麻痺利用者の麻痺側上肢機能と日常生活での使用頻度の関係の検証」という演題を発表させていただきました。初めての全国学会で緊張しましたが、なんとか無事発表を終えることが出来ました。
そしてなんと….優秀演題賞をいただきました!!学会の参加に協力してくださった方々のおかげです。今後も現状に満足せず、常に向上心を持ちながら日々の業務に取り組みたいと思います。
通所リハビリテーション西堀 主任 田村 祐輔(理学療法士)
訪問リハビリで、色々教えてもらっています。
2024年06月04日
私達は、ご自宅などで生活されている場所でのリハビリ=訪問リハビリテーションを行っています。訪問リハビリテーションを行っていると、利用者さんやご家族の方から、生活の知恵・昔の函館の事を色々と教えて頂く事があります。
例えば、
「雑草に海水をかけると枯れるよ~」・「五稜郭公園で小学校の運動会をしていた!」・「戦時中は服も配給(衣料切符)だったんだよ」などなど。。。
また、リハビリのアイデアを教えてもらえる事も。
例えば、おしっこのバックを付けている利用者さんが歩く時に、バックをどうにかしなければなりません。それの解決方法がこちら!
腰にベルトを巻く
※見えにくいですが、服の上にベルトを巻いています。
また、玄関の扉が重く支えきれない時、出入りの時に扉を開けておきたい方は
オリジナルドアストッパー
シール付きフックを壁に貼り、そこにビニールひもをひっかけ、紐の先端に丸めた厚紙などをいれた優れもの!
皆様から色々な事を教わりながら、これから先の利用者様の生活が少しでもよりいいものになれるよう、スタッフ一同頑張っていきたいと思います!
訪問リハビリテーション西堀 本通サテライト
在宅リハ課長 大橋 悠介(作業療法士)
排泄に対する回復期リハ病院の取り組み
2024年05月22日
ここ道南には「道南回復期リハビリテーション病棟連絡協議会」という会があります。この協議会は回復期リハビリテーション病棟を有する道南の病院8施設からなり、回復期リハに携わる医療従事者の知識・技術の向上や地域における急性期病院や慢性期病院、介護施設、在宅分野との連携体制の強化を行うことを目的としています。
今年度第1回目となる研修会が、5月17日(金)亀田交流プラザにおいて「排泄」をテーマに開催されました。西堀病院からも作業療法士の村山が『当院における排泄自立に向けた取り組み』を発表させていただきました。
当院を含め4施設からの発表でしたが、各病院、様々な工夫や連携を図りながら患者さまの排泄動作改善に向け取り組んでおり、他施設からの報告は大変参考になる内容でした。
これからも道南地域の回復期リハビリテーションの質向上を図るべく、他施設と切磋琢磨しながら、研鑽に励んでいきたいと思います。
リハビリ次長 伊丸岡(作業療法士)
新年度、新たに入職
2024年04月15日
本格的に暖かくなり多くの地位で桜が見ごろになる4月は、入学や就職を伴う新生活の始まりの月でもあります。西堀病院のリハビリテーション課にも4月から新たに理学療法士3名、作業療法士3名、言語聴覚士1名の合計7名が入職しました。
(新入職員です。1名欠席。)
入職して1週間程度。表情も硬く緊張感が伝わってきます。
時折見せる笑顔が素敵ですね。
新入生の皆様、私たちと共に新しい挑戦に向かって進んでいきましょう。
リハブログをご覧の皆様
西堀病院は「癒す人と癒される人の和」という理念のもと、日々前進しております。リハビリスタッフ一人一人が持つ独自の才能や経験、そして情熱をチームに集結し、新たな活力として未来へ進み、より良いリハビリテーションが提供できるよう精進して参ります。
今後とも 西堀病院リハビリテーション課 を何卒宜しくお願い致します。
訪問リハビリ 主任 宇野静典(作業療法士)