カテゴリー: リハブログ
リハケア学会in鳥取県
2018年10月16日
夏も終わり少しずつ寒くなってきました。秋と言えば食欲の秋・スポーツの秋と言いますが、今年の秋のイベントは何か考えていましたか?日常の中で趣味や嗜好などの「楽しみ」をもって生活をしていく事が「生活の質」を高めていく事になり、リハビリとしての視点でも筋力低下の予防や認知機能低下の予防など多くのメリットが考えられます。これから寒くなる北海道ですが、是非、月に1回程度、自分にあったイベントを楽しんでいただければと思います。
話は変わりまして、今回、2018年10月3、4日に鳥取県で開催されたリハビリテーション・ケア合同研究大会に参加してきました。OT村上、PT佐藤、ST日隅、OT山本の4名が演題発表をしました。この学会はリハビリ専門職だけではなく、医師や看護師、歯科衛生士など多くの職種の方が参加しており、普段聞くことのできないような発表を聞くことができ、とても勉強になりました。また、私たちの発表に対しても様々な視点からの質問やアドバイスをいただくことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。
函館から鳥取県に行くには飛行機便の時刻の関係上、大会前日に鳥取県に入り、大会翌日に函館に帰る便となります。つまり、10月2日~5日までの旅となりました。空いた時間を有効に活用し、鳥取県の名産物のカニや梨、また、北海道ではあまり食べることのない猪の肉や深海魚料理を食べたり、漫画「ゲゲゲの鬼太郎」や「名探偵コナン」の作者の出身地であるため、街並みに多くの妖怪たちを見ることができました。鳥取空港やコンビニ、飲食店の入り口には「リハビリテーション・ケア合同研究大会 ようこそ鳥取県へ」と県民の皆さまには私たちを歓迎して頂いたことに深く感謝しております。
これからも日々研鑽を積み重ね、自分自身のスキルアップ、知り得た情報をスタッフへ伝え、病院全体のスキルアップを図り、それが函館市民の皆さまのために役立てられるよう尽力していきたいと思います。
(文:理学療法士係長 佐藤)
もしもの備え ~見落としがちな習慣の危険~
2018年10月16日
9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震では、最も大きな揺れが起こった地域で震度7。函館では震度5弱、七飯町で震度4、北斗市で震度3を記録しました。また、地震の影響で道内最大の火力発電所である苫東厚真火力発電所が破損し、函館市内も停電や高層マンションなどでは停電に伴った断水も生じました。
今までの人生の中で停電というのは初めての経験で、信号機が使用できずに道路が渋滞していたり、ほとんどのお店が閉まっている光景、夜中には外灯が点かない真っ暗な地域などとても衝撃的でした。また、のちに「電話もつながらなくて不安になり外出した」という声を耳にしましたが、このような状況での不用意な外出は避けた方が良いそうです。
私自身日頃からの備えの大切さを感じる出来事となり、今後のために懐中電灯や飲料水、電池式や手回し充電式のラジオなど準備しようと思いました。
また私の身近に起こったことなのですが、地元である札幌東区は震度6弱を記録し、実家のタンス2棹が倒れたそうです。幸いにも両親に大きなけがはなかったのですが、倒れたタンスの中は普段使いにくい下段に物が入っておらず、使いやすい中段から上段に物をしまっていたとのことでした。土台となる下方が軽く、中~上方が重たくなると、物体はバランスが不安定になります。またタンスの固定もしていなかったことから倒れてしまったようです。
身の回りのついやってしまう習慣にも、危険は隠れているかもしれません。今できる備えをご家族やそばにいる方と話し合ってみてはいかがでしょうか。
(文:理学療法士主任 澤谷)
夏の思い出「いか踊り」
2018年10月16日
9月6日、胆振地方中東部を震源とするM6.7の地震が発生し、函館市も停電に見舞われましたが、翌日には通常どおりの病院機能にもどり、入院患者さまへのリハビリも提供することができました。今回の地震で被害に遭われた方々に、心よりお見舞いを申し上げます。
さて、期間は空いてしまいましたが、函館の夏の風物詩、函館港まつりの「ワッショイはこだて」に今年も西堀病院として参加しました!実習中の学生さんも参加して、日頃のストレスを発散していました(笑)
(文:リハビリテーション次長 伊丸岡)
身体能力に応じて介助も柔軟に対応
2018年08月10日
身体機能が向上すれば、ベッドを離れて食事やトイレ、入浴、リハビリなど、活動・参加が増えます。しかし、下肢機能が低下している状態では車椅子での移動が選択されます。我々セラピストをはじめ、看護師、ケアワーカーは患者様の入院生活を支援する上で、車椅子への移乗をサポートする機会は非常に多いと言えます。また、移乗動作は複雑な動きであるがゆえに、介助方法によっては身体機能を高めることもできれば、逆に回復を阻害する可能性も考えられます。さらには安全面に対しても十分な配慮を必要とするため、移乗介助は高度な技術を求められる行為とも言えます。そこで今回は「移乗介助」についてお話ししたいと思います。
移乗とは「ベッドから車椅子あるいは車椅子からベッドや便座などへ移動する動作」を指します。介助のポイントとして、(1)環境調整、(2)移乗する前の姿勢調整、(3)身体重心を足部へ移行、(4)方向転換、の少なくとも4点を考慮しています。重要なことは介助者・被介助者ともに安全かつ安楽に行なえ、身体機能に対して効果的であることです。
(1)環境調整:ベッド→車椅子への移乗を考えてみましょう。車椅子をベッドに斜め付けし座面間を最短距離に設定するのが一般的ですが、場合によっては車椅子が体に近すぎて立ち上がった後の動きに必要なスペースがなくなり、下肢が車椅子に接触するなどの問題が生じます。移乗という複合的な動作を分割し、動きを断片的に捉えることで、車椅子・ベッド・手すり・被介助者の位置関係や最適な距離設定が判断しやすくなります。
(2)移乗前の姿勢調整:今から自分が椅子から立ち上がる場面を想像してみましょう。まず両足を最適な位置に接地し、目的の方向へ視線と体を向け、状況によっては手すりに掴まるなど、楽に立つための「構え」の姿勢をとるはずです。介助する際も、被介助者にとって楽に立つための最適な構えの姿勢を探します。
(3)身体重心を足部へ移行:先ほど同様立ち上がる場面を想像すると、まず前方へ深くお辞儀をした直後に両足で一気に体重を支えます。つまり、身体重心が最も大きく移動する瞬間です。ここでは被介助者の身体能力の把握が要求されます。動ける方であれば、「よいしょ!」のタイミングを見極め、介助というよりは動きを促すようにガイドします。介助者の一方的な誘導だと本来の自然な動きを阻害する可能性があるのです。したがって、セラピストは移乗を介助で済ませるのではなく1つの「機能訓練」として捉え身体能力向上に繋げようと考えています。
(4)方向転換:この場面も身体能力に応じて動作パターンを多様化させ、介助量も変化させます。両足で立っている状態なので、両脚支持が困難な場合は被介助者の両膝を介助者が固定します。片脚支持が可能な場合は、その支持脚に重心を移し対側の膝を固定してあげます。両脚支持が可能な場合は両脇を支える程度の介助に留め、被介助者の動きを最大限に引き出します。
以上、ざっくりですが移乗介助についてまとめてみました。被介助者の身体能力や体格、さらには環境によって介助方法も変えていくので、知識だけでなく経験を積むことも重要です。当院では定期的に移乗研修を開催し、セラピストの専門的な視点から他部署の方々と一緒に移乗介助のさらなるスキルアップに向けた取り組みを行っています。
普段介護をされている一般の方や介護施設の職員の方に対しても出前講座を行っていますので、興味のある方は、西堀病院リハビリテーション課伊丸岡(いまるおか)0138-52-1531までお気軽にお問い合わせください。ともに高みを目指す仲間を求めて
2018年07月31日
7月20日(金)旭川市にあるリハビリテーション養成校、北都保健福祉専門学校へ伊丸岡リハビリテーション次長と就職説明会に参加してきました。函館から旭川までは約437km、所要時間にして5時間32分の移動時間が必要です(北海道の道路情報サイトより)。前もって計算して当日の朝6:00函館を出発しました。道中もリハ課内の話、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の今後の展望等を語りながらとても充実した時間を過ごさせていただきました。
そして、この日の旭川の気温は30℃!車の中で冷房を使用していた私たちは外の暑さに気づくことなく「せっかく旭川まで来たからラーメンでも食べよう」という話になりラーメン屋へ。そこで車から降りた瞬間に湿度の高い暑さを体感しました。店内も暑かったので、伊丸岡次長は冷やし中華を注文。私はなぜかアツアツの醤油ラーメンを注文しました。ゆっくり食べていては全身から汗が吹き出してしまうので、できるだけ早く食べることが重要と、まったく根拠も何もない理由で急いで完食し就職説明会会場へ行きました。
説明会ブースへは理学療法士の学生さんが4名、作業療法士の学生さんが1名興味をもって話を聞きにきてくれました。自分の働きたい環境と目指している理学療法士像・作業療法士像を求めて話を聞いている学生さんの目はとても輝いており、私たちも当院の取り組み、魅力、今後の展望の説明にも熱が入りました。
現在、全国には約10万人以上の理学療法士、道内には約5500人以上の理学療法士、(2018年3月末までの統計)、道南には約300人以上の理学療法士が在籍しております。これからはリハビリテーションも「量」ではなく「質」を求められる時代がきています。その中で当院も患者さまや地域の方々に求められるようなセラピストとなれるよう日々研鑽していきたいと思っております。学生に限らず、同じ志を持つ方がいらっしゃれば、一緒に働いてみませんか?もし、見学や質問、相談などありましたら、TEL:0138-52-1531 リハビリテーション課責任者:伊丸岡 までご連絡いただければと思います。
ストレスの科学
2018年06月12日
こんにちは。1年前のブログで禁酒を宣言した村上という者です。秋の健康診断の結果をお伝えするはずが、報告できず申し訳ございません。中性脂肪の値は見事正常範囲内に下がりました!!やはり薬の力は偉大です!!さて、新年度を迎え3か月がたちましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。日々充実した生活を過ごしている方もいれば、中には新しい環境になじめずストレスを抱えている方もいると思います。そこで今回はストレスの発生メカニズムと対処法について少しお話したいと思います。
ストレス理論として有名なものに、Lazarus(ラザルズ)が提唱したライフ・ストレス理論があります(下図参照)。今回はこの理論をもとに話を進めたいと思います。まず、ストレスを感じるにはその元となる「潜在的ストレッサー」が存在します。潜在的ストレッサーとは、就職・退職や結婚・離婚、クリスマスなどの「人生の出来事」や、「日常の苛立ち」などが挙げられます。クリスマスがストレスと言うと意外に思われる方もいらっしゃると思いますが、これは「潜在的ストレッサー」をストレスになり得る潜在的な事象と捉えているためで、ストレスになる場合もあればストレスにならない場合もあるとご理解ください。人生の出来事については、Holms and Rahe(ホームズとレイ)が項目化していますので、興味のある方はお調べください。もしかしたらテレビ番組等で見たことがあるかもしれません。次に、潜在的ストレッサーをストレスであると認識する過程が存在します。これを「認知的評定」と言います。この過程は潜在的ストレッサーを「無関係」、「肯定」、「ストレスフル」の3種類に評価する過程です。認知的評定で潜在的ストレッサーをストレスフルであると評価した場合には、ストレスに対する対処(コーピング)が始まります。
さて、今までストレスの発生機序について、「潜在的ストレッサー」「認知的評定」「ストレスフル」と3つキーワードを挙げました。基本的にストレスに対する対応はこの3つに対して行うことになり、どの時期に対応するかで「問題焦点型コーピング」「情動焦点型コーピング」「ストレス解消型コーピング」に分けられています。ここからは具体的な例を挙げて説明したいと思います。今回は「禁酒」を潜在的ストレッサーとし、それがストレスフルであると認識された状態を想定したいと思います。問題焦点型コーピングは潜在的ストレッサーそのものを解決する対処方法で、今回の場合は禁酒をやめてしまうという対処になります。潜在的ストレッサー自体を消すという最も根本的な解決方法なので効果的ではありますが、会社での人間関係や金銭的な問題など、自分の意志で解決できない問題には対処できないこともあるかと思います。自分の意志で解決できない問題の場合は、しかるべき方に相談し、一緒に潜在的ストレッサーに対する対応を検討することが望ましいでしょう。次に情動焦点型コーピングは認知的評定に対する対処方法です。つまり、禁酒をストレスとして捉えるのではなく、「自分の健康のためになる」と肯定的に捉える対処方法です。この対処方法で重要なのは、無理やり自分に言い聞かせて肯定するのではなく、心から肯定するということです。一度ストレスと感じてしまった事象に対して改めて肯定するのは非常に難しいかもしれませんが、実はストレスに強いと言われる人はこの対処法を取ることが多いと言われています。最後にストレス解消型コーピングでは、ストレスと感じる事象そのものの解決を図るのではなく、趣味活動などで気分転換を図る対処方法で、多くの方が実践している方法だと思います。例えば旅行や買い物などでストレスを発散するというイメージです。
人それぞれで選択するコーピング方法は違うと言われていますが、対応方法が3種類あると分かると、自分が試していないコーピングを意識的に試してみることで、ストレスを解消出来る可能性が広がるのではないでしょうか。
(文:作業療法係長 村上)
「食べる」を支える
2018年06月05日
最近、テレビ番組で『嚥下障害』についてよく取り上げられていますよね。少し前はほぼ耳にすることもなかった用語が、今では知っていて当たり前の時代になってきています。私の職種、言語聴覚士にとっての専門分野の一つです。
当院では、嚥下障害の方を支える為の『摂食嚥下入院』を実施していますが、その中でほぼ必ず実施しているVF検査。嚥下障害という言葉に比べると「聞いたことがない」「聞いたことはあるけど、よくわからない」という方が多いのではないでしょうか。
私のもう一つの顔、北海道言語聴覚士会 道南支部では、6月30日に国際医療福祉大学の倉智先生をお招きし、VFの見方と治療への繋げ方に関する研修会を開催致します。初の函館開催で、とっても貴重な機会です。参加の申し込み先は私ですので、興味のある方は、是非お気軽にお声かけ下さい。
日 時 平成30年6月30日(土) 14時~17時(受付13時30分~) 会 場 函館市医師会病院 5階講堂 演 者 「嚥下造影検査 ~解析のポイントから介入立案まで~」
国際医療福祉大学 成田保健医療学部 言語聴覚学科
倉智 雅子 先生参加費 会員 1,000円
非会員 2,000円(文:在宅リハビリテーション課長 寺田)
平成30年度 新たな仲間とともに始動!
2018年04月26日
戌年!
2018年01月30日
皆さん、新年も明け、正月太りがやっと解消しつつあるこの頃をお過ごしではないでしょうか?今年の函館は、近年では珍しく雪の多い冬となっていますね。休みの日の大雪はなんとかなっても、仕事の日の大雪は…。普段、車で約25分かけて車通勤している私には、先日の膝上までの大雪には本当に泣かされました。
「通所リハビリの利用者さん、こんな日ならみんな来ないのでは?」とドキドキしながら通勤したら、こんな日でも真面目に利用して下さる利用者さま。一方、「雪かきあるから休みます」との利用者さま。リハビリに求められる様々を感じられる通所リハビリは、色々な思考と学びを与えてくれます。春には介護報酬改定がありますが、目の前の利用者さまが必要としているサービスを見失わないことこそが大切なことであると思います。今年の干支である犬のように、利用者さまの想いに忠実に、時には力強く声を上げながら、寄り添う想いを大切にしたリハビリの提供を今年も目指していきたいと思います!
(文:在宅リハビリ課長 寺田)
音楽は心も体も動かす。
2017年12月29日