脳卒中ガイドライン2021では、脳卒中片麻痺に対する歩行再建において装具療法の妥当性が示唆されています。また、生活場面においても多職種で積極的にKAFOを使用していくことの有効性が報告されており、当院でも、数年前からブレースチームを立ち上げ装具療法を進めております。
しかし、コロナ禍の影響により研修会がオンラインに代わり、実技の講習が少なくなり自己研鑽の機会をなかなか持てずにいました。
そのため、装具療法に関する実践的な知識、効果的な技術向上を図るため、函館市医師会看護・リハビリテーション学院理学療法学科学科長の平塚健太先生をお招きして5月1日・2日にリハビリテーション課内の研修会を開催しました。
1日目は、KAFO療法についての基礎知識や効果について、ご教授いただきました。KAFO療法は注意・覚醒に対しても効果があり、多職種(OT・ST)におけるKAFOの活用や部内浸透においてもお話ししていただきました。平塚先生の経験や実際の治療場面等の動画を交えての研修でとてもわかりやすく、さっそく明日からの治療に約立てたいと思いました。
2日目は、KAFO療法の技術講習として、KAFOを着用し歩行介助のポイントを実際にご指導いただきました。今年入職した新人やOT・STもKAFOの歩行介助を体験し、「難しい」、「タイミングが合わない」等の声が飛び交っておりましたが、楽しみながらも貴重な経験ができたのではないかと思います。
1日目は42名、2日目は32名のリハビリスタッフ(PT・OT・ST)が参加しました。
早期からKAFOを使用することで、ADLが向上する可能性があることが報告されており、当院でも患者様に合わせ早期より多職種の連携を強化したKAFO療法を実施することで、患者様の歩行能力・ADL能力を最大限まで引き出せるように努めていきます。
院内リハビリテーション課 主任 松本 考拓(理学療法士)