物事に取り組むときは、まず腹ごしらえをしてエネルギーを補給するべきだという例えです。世界中に同じ意味のことわざがあり英語では「胃が足を運ぶ」というそうです。リハビリでも同様で体に栄養が足りない状態で行う運動はダイエットと同じです。せっかく体力をつけるためにリハビリしているのに、どんどん筋肉がなくなるというのは案外あり得る事なのです。つまりリハビリと栄養は切っても切り離せない間柄であり、当院においてもNST(栄養サポートチーム)、低栄養カンファレンス、リハ栄養プロジェクトチームなど様々な活動を通して連携をとっています。なかでも言語聴覚士(ST)は飲み込みのリハビリを担っているので、管理栄養士が必要な栄養素やエネルギー量を計算して提供している食事を確実に摂取できるように、食事の形態や提供の仕方など特に綿密に連携を取り合っています。
今回は栄養士の卵である学生さん達がVF検査(嚥下造影検査)を見学に来てくれました。患者さんにバリウムを飲んで頂き、それが喉をどのように通っておなかに入っていくかがみられる検査ですが、もちろん学生さん達は聞くのも見るのも初めてで、様々な驚きや発見があったようです。短い間ですがひとつでも多くのものを感じて帰って欲しいものです。
院内リハビリテーション課 主任 松島 環(言語聴覚士)