VF検査を知っていますか?正式には「嚥下造影検査(swallowing videofluorography)」といいます。X線透視下でバリウムなどの造影剤を混ぜた食品を食べて頂き、その透視映像をみて、食物が口から入って食道に運ばれるまで、どこの部位がどのように動いているかをみることができます。口腔・咽頭・食道の動きや誤嚥があるかどうかをみることが出来、適切な食形態や環境を評価、診断するのに有効です。当院では入院、外来含め平均年40件程度行われています(道南地域ではかなり多いほうです)。
さて、そのVF検査。患者さんにとっては機械の前でバリウム入りのゼリーなどを食べて頂くだけなので、比較的負担が少ない検査ではありますが、その画像を読み取るのが難しいんです。なにしろ「ごっくん」という一瞬の間に複数の部位で同時にいろんなことが起こっているのです。誤った判断で食事をすすめて誤嚥性肺炎になったなんてことは絶対にあってはならないので、読み取る方は知識と経験が大切ですし、たとえ経験があっても“目が変わると見るところも変わる”ということで月に1回「VF症例検討会」を行っています。
若手セラピストは何を言われるかドキドキしていますが、実はベテランセラピストも見落としているところがあったら格好悪いなと内心はヒヤヒヤです。様々な緊張感を抱える検討会ではありますが、一人として同じ患者さんはいないので、すべてが新鮮で大変勉強になります。より多くの人が、可能な限り長い間、食事が楽しめるようにお手伝いできればと思います。
院内リハビリテーション課 主任 松島 環(言語聴覚士)