自宅などでの普段の1日の生活の始まりは、起きたら身支度を整えたり、ご飯を食べたりし、その後は横になることは少なく活動的に1日を生活していく事が多いと思います。
それが病院生活になると病院で借りた服のまま着替えることはなく、リハビリ時間以外は基本的に自分のベッド上となってしまいます。そのように入院生活が長くなるとリハビリはしているものの思ったよりも体力が向上してこない、筋力もつきにくい、身の回りの動作の介助量が中々軽減しない、起きる意欲や認知機能が下がる…など悪循環が起きることがあります。
回復期病棟とは脳血管疾患または大腿骨の骨折などの病気で急性期を脱しても、医学的・社会的・心理的なサポートが必要な患者さんに対して、多くの専門職がチームを組んで集中的なリハビリテーションを実施し、心身ともに回復した状態で自宅や社会に戻っていただくことを目的とした病棟です。
自宅や施設に帰った後の生活は病院の服は着ません。そのために意識的な改革として、起きたら病院の服から自分の服に着替えをしていきましょう。ということで取り組みに同意が得られる方々に対して積極的に病衣から自分の服への更衣練習を行っております。
ご自分で着替えられる方はご自身で、また着替えるのに介助が必要な方は早出勤務のリハビリスタッフが介入して着替えを行っております。
病気やケガをしたことで着替えは思っているよりも難しい動作となっている事が多く、実際に行うことでご自身にその気づきを与えることができます。またリハビリスタッフが関わることで動作手順を指導したり、補助具を使用したり、環境調整や行う姿勢を変更したりなど一人一人がより行いやすい動作・環境を検討しながら実施します。着替える頻度が上がることで徐々に介助の手が減り、自立されていく方も沢山います。
その他当院の他病棟では先駆けとして離床促進に取り組んでいましたが、今年より回復期病棟でも個別リハビリテーションの時間外もベッドにすぐに横になるのではなく、自宅や社会復帰するために積極的に離床の促進を行っております。もちろん一人一人の体の状態は異なるため、疲れた時は適宜休んで頂いています。
これらの取り組みを行ってから離床できる方の増加や身の回りの動作の介助量や日常生活動作の介助量が減っている方が多くなっている印象です。
院内リハビリテーション課 係長 鍵谷珠貴(理学療法士)